娘が「バレエやめたい」と言ったら。言い出した時期と理由から、続ける・変える・やめるを決める
娘さんが「バレエやめたい」と言ったら、まずいつ、どんな場面で言ったかを手がかりに、理由が「体」「人間関係」「練習の中身」「ほかにやりたいこと」のどれに近いかを確かめるのが近道です。痛みや人間関係が理由なら、やめる前にクラスや教室を変えて続ける道があります。理由がはっきりしていて、本人の気持ちが何週間たっても変わらないなら、発表会の後や学年の変わり目を区切りに、やめる準備を始めてよい時期です。
「やめたい」を言い出した時期で、聞くべきことが変わる
同じ「やめたい」でも、口にしたタイミングによって、背景にあるものはかなり違います。まずは、いつ言ったかを思い出してみてください。
- レッスンから帰ってすぐ
- その日に何かあった可能性。注意された、うまくできなかった、友だちと気まずくなった、など
- レッスンの前、行く支度のとき
- レッスンそのものに気が重い。先生、クラスの雰囲気、体のつらさ
- 発表会の練習が始まったころ
- 練習の回数や時間が増えた負担、配役や立ち位置への気持ち
- 進級やクラス替えのあと
- 難しくなった内容、仲のよい子と離れた、年上の子と一緒になった
- ずっと前から、ときどき
- ほかにやりたいことがある、バレエ以外の時間がほしい
帰ってすぐの「やめたい」は、一晩たつと消えることも少なくありません。一方、何週間も同じ場面で同じ言葉が出るなら、それは一時の気分ではなく、向き合う時期に来ているサインです。言われた日と場面をメモしておくと、あとで理由を考えるときの手がかりになり、先生に相談するときにも具体的に伝えられます。
理由ごとに、言葉の奥にあるものを確かめる
理由を聞くときは、「どうして?」と一度に聞くより、思い当たる場面を一緒にたどるほうが、娘さんも話しやすくなります。よく出てくる理由と、確かめ方の例です。
| 本人の言葉 | 奥にあるかもしれないこと | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 「足が痛い」「つかれる」 | 体の痛み、柔軟やポーズの負担、成長期の体の変化 | どこが、いつ痛むかを聞く。痛みが続くなら医療機関に相談する |
| 「先生がこわい」 | 注意の仕方が合わない、できない自分を見られるのがつらい | 何を言われたときにそう感じたかを聞く。レッスンの見学ができるか教室に確かめる |
| 「〇〇ちゃんがいるから行きたくない」 | クラス内の人間関係、比べられる気持ち | クラスの曜日や時間を変えられるか、教室に聞く |
| 「つまらない」「同じことばっかり」 | 基礎の反復が続く時期、上達が見えにくい | 好きだった踊りや場面を聞く。先生に今の課題とその先を聞く |
| 「ほかのことがしたい」 | 新しい興味、友だちが通う別の習い事 | やりたいことの中身を聞き、体験できるかを調べる |
体の痛みは、ほかの理由より先に確かめてください。気持ちの問題だと思って我慢させているうちに、本人がバレエ自体を嫌いになってしまうことがあります。
やめなくていい家庭もある。クラス・回数・教室を変える道
理由が「バレエ」ではなく「今の通い方」にあるなら、やめずに形を変えることで落ち着く場合があります。
- クラスや曜日を変える:人間関係や時間帯が理由のとき。同じ教室の中で動けることがあります
- 回数を減らす:疲れや、ほかの習い事・学校行事との重なりが理由のとき
- 教室を変える:先生の教え方や教室の雰囲気が合わないとき。バレエ教室は、趣味として楽しむことを大切にする教室から、コンクールを目指す教室まで方針がさまざまです
- いったん休む:理由がまだ分からないとき。休会の仕組みがあるかは教室ごとに違うので、決まりを確かめます
「踊ること自体は好き」と娘さんが言うなら、それは続ける理由として十分です。今の通い方を少し変えるだけで、「やめたい」が消えることもあります。
形を変えたあとは、すぐに答えを出さず、1〜2か月ほど様子を見る期間を決めておくと、親子ともに落ち着いて判断できます。その間に見ておきたいのは、娘さんが自分から口にすること、たとえばレッスンで習った動きを家でしてみせる、次のレッスンの話をする、といった行動です。こうした行動が戻ってきたなら、問題は「バレエ」ではなく「通い方」のほうにあったと考えられます。逆に、形を変えても行く前に毎回つらそうなら、次の区切りを考える時期です。
やめどきの区切りは、発表会・学年・費用の節目
やめる方向で考えるとき、区切りにしやすい時期がいくつかあります。
- 発表会の後:一つの目標を終えた達成感とともに区切れる。発表会の練習中にやめたい気持ちが強い場合は、発表会を前に辞めたいときの考え方 で、出る・出ないの比べ方を整理しています
- 学年や年度の変わり目:学校生活が変わるタイミングで、習い事全体を見直しやすい
- 費用が増える節目の前:上のクラスへの進級、トウシューズの購入、衣装の用意など、新しい出費が始まる前
月謝や発表会費、衣装代は教室によって大きく違い、相場を示す公的な統計も見当たらないため、この記事では金額は扱いません。ご自分の教室の案内や規約で確かめてください。
やめると決めたら、教室への伝え方と確かめること
やめると決めたら、まず入会時の書類や教室の決まりを見て、次の点を確かめます。
- 退会の申し出は、いつまでに、どの方法で伝えるか
- 最後の月の月謝の扱い
- 申し込み済みの発表会やイベントがあれば、その費用と衣装の扱い
- 借りているもの(衣装・教材など)の返し方
先生に伝えるときは、理由を細かく説明しすぎなくても大丈夫です。「本人と話し合って、〇月で区切ることにしました。これまでありがとうございました」と、時期とお礼を伝えれば十分です。娘さん本人が先生にあいさつできる機会をつくると、本人の中でもきちんと終わった、という区切りになります。
次の習い事を探すなら、バレエのどこが好きだったかから
やめたあとに別の習い事を考えるなら、「バレエの何が好きだったか」が手がかりになります。音楽に合わせて体を動かすのが好きなら別のダンス、柔らかさや技を磨くのが好きなら体操、衣装や舞台が好きなら演劇やミュージカル、というように、好きだった部分を残せる習い事を体験してみると、娘さん自身も比べやすくなります。
ピアノなど、ほかの習い事で同じように迷っている方は ピアノを辞めたいけど辞めたくない子への向き合い方、通信教育の退会条件は やめどきデータベース もどうぞ。
好きで始めたことを、自分の言葉で「やめたい」と言えたのは、娘さんが自分の気持ちを見つめられるようになった証でもあります。